2007 年 秋季大会予選  1 回戦  於 千葉工業高G  2007年9月10日 

1 2 3 4 5 6 7 8 9
幕張総合 0 0 0 0 2 0 0 0 1 3
検見川 0 1 0 0 0 0 0 0 1 2

幕張総合    : 柴山 - 金丸
検見川      : 椎名、鳥井 - 西川  

3塁打: 小倉、佐藤 (検) 2塁打: 林 (検)、柴山、飯田2 (幕)

観戦記: 
この試合は、バックネット裏で検見川高の校長先生の隣りにすわって観戦しました。
幕張総合高の応援団は、のぼりをもった元気なお母さん(選手の母親らしき人)と若いOB達が、声をからしながら、後輩たちに声援を送っていました。検見川ナインも結構ヤジられてましたね。

一方、検見川高野球部を応援するOBはゼロ(と思われる)。幕総OBの応援する姿をみて、検見川高野球部OBも何とかせねば…。と考えさせられた試合でもありました。

この試合も良く粘りました。正直9回表に1点取られた時は、もうダメかと半分諦めましたが、9回裏、1点を返し、あと一本の所まで追い詰めました。選手達も、内野ゴロでも1塁ベースに飛びこんだり、華麗な走塁やスライディングする姿をみて、勝ちたい執念を感じました。ピッチャーの椎名君も外角中心にボールを出し入れしながら、技巧派投手のお手本のような投球を見せてくれました。結果は負けてしまいましたが、選手たちのハートを感じました。「
このチームは強くなる!」 次に期待を持たせてくれた試合でもありました。

2008 年 春季大会予選  1回戦  於 幕張総合高G 2008年4月13日

1 2 3 4 5 6 7
京葉工業 0 0 0 0 3 0 0 3
検見川 2 4 0 1 5 0 × 12

7回コールド
京葉工業      : 永田、佐藤 - 大沢
検見川        : 椎名、竹内、中居 - 西川 
3塁打 : 脇山 (京)、小倉、野間(検) 2塁打: 松枝、西川 (検) 


観戦記
秋以降の選手達の成長を楽しみにしながら、試合観戦に行きました。結果は、予想以上に、選手達の動きにスピードがでてきてましたし、各バッターの振りも鋭くなっていました。冬の練習の成果が表れた試合だったと思います。

2008 年 春季大会予選 代表決定戦 於 天台球場 2008 年4月15日

1 2 3 4 5 6 7 8 9
若松 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1
検見川 0 0 0 1 0 0 0 5 × 6

若松        : 松田、岩瀬-小川
検見川       : 鳥井 - 西川
3塁打: 野間、小倉 (検)  

2004年(29期生)以来4年振りの県大会出場となりました。

2008 年 春季大会 県大会1回戦  市原臨海球場 2008 年4月26日

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
市立柏 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 1 3
検見川 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 2

市立柏     : 松村 - 岡田
検見川     : 鳥井、椎名 - 西川
3塁打: 梅田(市) 2塁打 : 野間、西川 (検)  

1 2 3 4 5 6 7 8 9
市立柏 8 2 5 7 9 9 3 4 6 1
梅田 岡田 大関 榊原 松口 窪田 野田 中野 三上 松村
検見川 1 2 3 4 5 6 7 8 9
8 8 6 4 2 5 3 7 9 1 1
橋本 大井 花島 内山 野間 主・ 西川 松枝 小倉 佐藤 宮嵜 鳥井 清水 椎名
3 3 3 2 2 3 3 3 2 3 2 2 3 3
花園 習志野三 犢橋 誉田 花園 蘇我 草野 犢橋 市東 蘇我 蘇我 新宿 習志野七 稲毛
3-0-0 1-0-0 0-0-0 1-0-0 5-3-0 4-1-1 5-1-1 5-0-0 4-2-0 3-0-0 4-0-0 2-0-0 1-0-0 1-0-0

(観戦記)
この日底冷えのする寒い日でした。1回の表、市柏の攻撃は、ヒットと2つのデッドボールで無死満塁。大量失点を覚悟した初回でしたが、三振、6-4-3のダブルプレーで無失点で切り抜けます。市柏の右の本格派松村君に対して、「どこまで食い下がれるか」期待と不安で見守っておりましたが、速球に振り負けず、初回からクリーンヒットが飛び出すなど、序盤は互角の戦いでした。

野暮用があり、4回途中までの観戦でしたが、秋の大会で感じた「このチームは強くなる」という思いは、市立柏戦で確信しました。チームに落ち着きがあり、ピンチでもバタバタしない。2年生も伸び伸びとプレーしている。きっと、最上級生がうまくチームをリードしていたのだと思います。このチームを多くのOB達に観てほしい。きっと、応援したくなるに違いない。そんな気持ちが芽生えたのもこの試合でした。

(後日談)
市立柏戦以降も、何試合か練習試合を観戦しました。スピード感あふれる戦い方をベースに、自分たちのペースで、相手高に圧勝する野球部をみて、夏の大会の2回戦「千葉日大一」、3回戦で対戦するだろう「習志野」にも「勝機あり」という思いが、日毎に高まっていきました。
今までOB会を組織できなかった負い目もありましたし、このチームを見れば、OB達も心が動くのではないか。OB会発足する最後のチャンスではないかとも考えました。

7月初めに、1〜10期の野球部主将だったOBの方々に夏の大会の応援を呼びかけるハガキを送りました。OB有志達が1回戦の流山南高戦を応援しに秋津球場に集まり、又、検見川高校野球部のの快進撃とともに、4回戦の千葉経済戦には、それ以上のOB達が集まり、OB会発足の機運が高まっていきました。

2008年 第90回 西千葉県大会予選 1回戦 於 秋津 球場   2008年7月12日

1 2 3 4 5 6 7 8 9
流山南 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1
検見川 0 0 3 0 0 0 0 2 × 5

流山南     : 大隅、不破 - 木村 
検見川      : 椎名、中居 - 西川
2塁打 : 池田(流)、西川 (検) 

1 2 3 4 5 6 7 8 9
流山南 8 4-6 2 1-4 9 5 7 3 6 1
菊池浩 池田 木村 大隅 伊沢 亀之内 菊池彰 森田 上原 不破
検見川 1 2 3 4 5 6 7 8 9
8 6 4 2 3 5 7 7 9 代-9 1 1
橋本 野間 主・ 西川 小倉 松枝 佐藤 松崎 花島 宮嵜 椎名 清水 中居
3年 2年 3年 3年 2年 3年 3年 3年 3年 2年 3年 3年 2年
花園 花園 蘇我 草野 市東 犢橋 蘇我 五井 犢橋 蘇我 稲毛 習志野七 葛城
4-2-0 4-1-0 2-1-0 3-2-2 4-0-0 2-1-1 2-0-1 0-0-0 2-0-0 2-0-0 1-0-0 1-0-0 0-0-0

安打数: 検見川7 、流山南 5
盗塁数: 検見川2、流山南 0

千葉日報参照
検見川 逆転勝ち
検見川が快勝。3回、西川の2点二塁打などで3点を奪って逆転。8回には2点を加え突き放した。流山南は、3回に木村の適時打で先制したが、その後は、打線が振るわなかった。
橋本、2安打を放ち復調
検見川の橋本恭平が2安打を放ち元気な姿を見せた。左手首を負傷し春の大会では打撃が不振だった。十分に練習に参加できないときは「すっとチームに入っていけるように心掛け、振り込みで打撃スタンスの確認をしていた」 3回先頭打者として、一、二塁間を破る安打で出塁し4番西川貴紘の適時2塁打で同点ホームを踏んだ。「チームのためになった。来た球をしっかり打てて気持ちよかった」と笑顔を見せた。

2008年 第90回 西千葉県大会予選 2回戦 於 八千代市営 球場   2008年7月15日

1 2 3 4 5 6 7 8 9
検見川 2 2 0 0 0 0 0 0 0 4
千葉日大一 0 0 0 0 1 0 1 0 0 2

検見川      : 鳥井 - 西川
千葉明徳    : 遠藤 - 中島
3塁打:小林(千)、 2塁打 : 小倉(検)、遠藤 (千) 

検見川 1 2 3 4 5 6 7 8 9
8 6 4 2 5 3 7 7 1 9
橋本 野間 主・ 西川 松枝 小倉 佐藤 松崎 宮嵜 鳥井 花島
3年 2年 3年 3年 3年 2年 3年 3年 2年 2年 3年
花園 花園 蘇我 草野 犢橋 市東 蘇我 五井 蘇我 新宿 犢橋
3-0-0 5-0-0 5-1-2 3-0-0 0-0-0 3-1-2 3-0-0 1-0-0 0-0-0 4-3-0 3-1-0
千葉日大一 1 2 3 4 5 6 7 8 9
4 8 2 3 9 1 2 1 5
横山 川嶋 中島 三橋 榎本 浦辺 高田 見並 小林 遠藤 長島

盗塁 : 検見川 0 
安打数: 検見川 6 
投手成績 : 検見川 鳥井 9回 被安打6、奪三振5、与四球2 

千葉日報参照

検見川 逃げ切る
検見川が逃げ切った。1回に小倉が2塁打を放って2点先制。2回にも2点加えた。千葉日大一は7回、遠藤の適時二塁打で2点差まで迫ったが、その後は好機をつくれなかった。

2008年 第90回 西千葉県大会予選 3回戦 於 市原臨海 球場   2008年7月17日

1 2 3 4 5 6 7 8 9
習志野 0 0 1 0 1 0 0 0 0 2
検見川 2 0 1 0 0 0 0 0 × 3

習志野     : 高橋、伊田、山田 - 中台 
検見川      : 鳥井 - 西川
3塁打 : 伊田 (習) 

習志野 1 2 3 4 5 6 7 8 9
9 代-9 9 4 2 7 3 8 6 5 5 1 1 1
青木 望月 成瀬 宮内 中台 豊田 西村 福田 永田 染谷 町田 山下 高橋 伊田 山田
3年 1年 3年 2年 3年 2年 3年 1年 3年 2年 3年 1年 1年 2年 2年
検見川 1 2 3 4 5 6 7 8 9
8 6 4 2 5 3 7 9 1
橋本 野間 主・ 西川 松枝 小倉 佐藤 花島 鳥井
3年 2年 3年 3年 3年 2年 3年 3年 2年
花園 花園 蘇我 草野 犢橋 市東 蘇我 犢橋 新宿
2-0-0 4-1-0 3-1-0 4-2-2 3-0-0 3-0-0 3-1-0 2-0-0 3-3-0

盗塁 : 検見川 1 
安打数: 検見川 8 
投手成績 : 検見川 鳥井 9回 被安打3、奪三振1、与四球4 

千葉日報参照
検見川が競り勝つ
検見川が逃げ切った。1回、制球を乱した相手1年生投手をつかまえ、西川の適時打などで2点を先制。先発鳥井が変化球を効果的に使いリードを守った。習志野は6回以降安打が無かった。


ヒーロー
新球スローカーブ威力発揮
 検見川・鳥井 
右翼に打球が上がったのがわかると、勝利を確信したかのように右手でグラブを何度もたたいた。検見川の2年生右腕・鳥井翔太が習志野打線を3安打2失点に抑えた。スローカーブで翻弄した。バッテリーを組む西川貴紘は「強いチームはまっすぐに強いと思った」と、直球を見せ球に変化球勝負のリード。狙い球を絞らせず凡打の山を築いた。5回に1点差まで詰め寄られたが「点を取られないように頑張った」と鳥井。最大のピンチは8回。「当たりに来ているようだった」と3つ目目の死球を与え、守備の乱れもあり、二死2,3塁。打席に立つ5番打者との勝負に選んだのはスローカーブ。思惑通りタイミングを外し一飛に打ち取った。勝負球のスローカーブは大会直前に習得したばかり。横滑りするスライダーはあったが、ストライクゾーンを最大限に使うために縦の変化球を和田純監督が要求した。背番号1をつける椎名直哉に教えを請い、わずか数日で自分のものにした。2回戦では、千葉日大一、3回戦では、習志野と、覚えたての新球が威力を発揮し実力高を次々と破った。次戦は、千葉経大附。「丁寧に投げていきたい」。背番号10は気負わず平常心で優勝候補に挑む。       

2008年 第90回 西千葉県大会予選 4回戦 於 天台 球場   2008年7月20日

1 2 3 4 5 6 7 8 9
千葉経大附 0 0 1 0 1 0 1 0 1 3
検見川 1 0 0 0 0 0 0 1 × 2

千葉経大附  : 斎藤 - 谷 
検見川      : 中居、椎名、鳥井 - 西川
3塁打 : 内藤 (千)、 2塁打 : 斎藤(千)、橋本(検) 

千葉経大附 1 2 3 4 5 6 7 8 9
6 2 9 1 3 7 代-7 7-3 4 8 5 4-3
重谷 内藤 斎藤 高柳 蛙前 八坂 久保田 岩瀬 稲葉 川島 樋口
3年 3年 3年 3年 2年 3年 3年 3年 3年 3年 3年 3年
検見川 1 2 3 4 5 6 7 8 9
4 6 2 5 3 7 8 1 1 1 9 9
主・林 野間 西川 松枝 小倉 佐藤 橋本 中居 椎名 鳥井 花島 大井 宮嵜
3年 2年 3年 3年 2年 3年 3年 2年 3年 2年 3年 3年 2年
蘇我 花園 草野 犢橋 市東 蘇我 花園 葛城 稲毛 新宿 犢橋 習志野三 蘇我
2-0-0 4-1-0 4-1-1 3-1-1 4-0-0 3-1-0 4-1-0 1-0-0 1-0-0 2-0-0 1-0-0 1-0-0 0-0-0

盗塁 : 検見川 4 
安打数: 検見川 5 
投手成績 : 検見川 被安打9、奪三振7、与四球3 

(千葉日報参照)

重谷、9回に決勝打
千葉経済が接戦を制した。1-1の7回、右前適時打で逆転。重谷は2-2の9回にも右前に決勝打を放った。検見川は8回、一死2,3塁から西川の適時打で1点を返しさらに二死満塁としたが後続を断たれた。

白球
健闘検見川あと一歩

千葉日大一、習志野を破った検見川の力は本物だった。しかし、千葉経大附の壁はそれ以上に強固だった。1点を追う8回。二死ながら四球と内野安打で出た走者を2,3塁に置き、打席に入った西川貴紘。「気持ちだけは負けないように」。自分を信じ、鋭く振り抜いた打球は2塁手の横を抜ける同点打になった。西川は1塁ベース上で何度もガッツポーズ。喜びを爆発させた。流れは検見川に傾いたかにみえたが、ここから選抜大会ベスト4の底力を思い知らされる。9回一死から、遊ゴロがイレギュラー安打となり、走者を犠打で2塁に。ここまで躍進を支えてきた2年生投手、鳥井翔太は警戒していた1番打者を迎え、外の際どいところを狙う。しかし、投じた初球はやや内に入り、右前にはじき返された。試合後のロッカールームには泣き叫ぶ選手たちの声だけが響いた。チームを引っ張り続けた主将・林翔平は「勝ちたかった…。でも、最高の仲間達と検見川で野球ができてよかった」。汗と涙で汚れたユニホームに、涙が染み込んだ。  

(毎日新聞参照)
球軌
最後は涙をぬぐい前へ
検見川3年 西川貴紘
外角に外すはずの投球が、真ん中低めへ。同点の9回二死2塁、打席に立った千葉経大附きっての強打者、重谷祐弥(3年)が見逃さずに右前へ運ぶ。2塁走者が小躍りして生還。決勝点を奪われた。「もっとミットと体を外よりに構え、ボールにすることをしっかり投手に伝えれば良かった」と悔やんだ。入部当初から捕手だったが、リードに工夫が無く、和田純監督から「ちゃんと頭で考えているのか」と毎日、怒鳴られた。「打者と投手の癖を見抜いて状況を分析しろ」との和田監督の教えを頭に叩き込んで練習に明け暮れた。千葉経大附には昨秋の練習試合で3-11で大敗したが、「勝てない相手じゃない」と密かに自信を持っていた。この日は左腕、右横手、右上手とタイプの異なる3投手を巧みにリード。持ち味を存分に引き出し、3失点と相手の強打を見事にかわした。試合終了後に「オレのミスで負けた」と泣き崩れる姿を見て、和田監督は「3年間で誰よりも野球を覚えた。今日はすべてを任せており、負けたのは仕方ない」とたたえた。センバツ4強の強豪に、あと1歩にまで迫った。「この悔しさは大学で晴らす」。最後は、涙をぬぐって、前を見据えた。

ハイライト

1点差の辛勝。センバツ4強の千葉経大附は、苦しみ抜いた末にようやく勝利を手にした。先発マウンドに立ったエース斎藤圭祐。立ち上がりを意識しすぎ、1回先頭打者に四球を出し、先制点を許した。3回に追いついたが、以降は好機がつくれず拮抗したまま終盤を迎えた。
試合は7回から急展開。「自分のせいでチームの雰囲気を下げた」と1回、三振に倒れた1番、重谷祐弥が二死2塁の好機を逃がさず勝ち越し打。喜ぶ間もなく8回、検見川に再び同点とされ、なおも二死満塁のピンチ。斎藤の気迫の投球で、何とか危機を乗り切るが、
ゲームの流れはどちらに傾いてもおかしくなかった。 
そして、同点の9回二死2塁で再び重谷が打席に。「引っ張る」。強い思いを乗せ打球は1,2塁間を破った。その裏、検見川の攻撃を斎藤が3人で抑え、辛くも逃げ切った。「監督の指示とおりに出来なかった」と表情を強張らせた斎藤。重谷は「心に隙があった。全員気持ちを引き締めないと」。辛勝から課題を見つめなおした。


(参照読売新聞)

白球賛歌
快進撃・検見川無情の結末

千葉日大一、習志野などの強豪を破り、''台風の目''となった検見川。「組み合わせが決まった時から、千葉経大附対策を練っていた」(和田純監督)。
左の強打者が多いことから、この日、先発投手に技巧派の中居文吾(2年)を送りこみ、これが当たった。初回、先頭打者を三振に打ち取ると、緩いスライダーと直球を低めに丁寧に集めて、打ち気にはやる相手打者を手玉に取り、5回途中まで1失点。打線も大いに活気付いた。
しかし、最終回。「野球の神様が急に顔を背けた」(和田監督)。1点リードされて迎えた8回裏、二死2,3塁の好機。打席には、3番、西川貴紘(3年、捕手)が立っていた。「7回に自分のリードのまずさで点を取られた。絶対に打ちたい」。相手は全国屈指の好投手とされる千葉経済大附の主戦・齋藤圭祐(3年)。燃えた。
速球対策で練習を積んだ、上からたたき付けるようなスイングで外角直球をとらえ、鋭い打球が右前へ。同点の走者が生還。優勝候補の強豪に勝てるかも……。ベンチもスタンドも沸き返った。
8回から救援の本格派投手・鳥井翔太(2年)。一死は簡単に取ったが、次打者が放った遊撃正面のゴロが、何故か捕球寸前に大きく跳ね、安打に。さらに犠打で二死2塁となり、前の打席で適時打を放っている重谷祐弥(3年)を迎えた。「勝負するなら、絶対にバットに当てさせるな。次打者で勝負してもいい」。伝令が伝えた和田監督のメッセージに、鳥井は迷わず勝負を選んだ。「いまの自分の球ならいける」初球の直球に重谷がバットを出した。2塁方向へ力の無いゴロが転がる。「打ち取った」と思った。しかし、打球は走者を意識しセンターよりにいた二塁手の脇を抜け、右前へ。走者が本塁を駆け抜けた。目前の'金星'がまぼろしと消えた検見川鳥井は「不運だった」とつぶやき、主将の林翔平(3年)は、「最後の最後まであと一歩、実力が及ばなかった」と涙をぬぐった。

(参照朝日新聞)

2008 夏 検見川
続投策で選抜4強苦しめる

8回裏、検見川が同点に追いついたとき、県野球場の満員の観客が、一つの「空気」に包まれた。優勝候補が負ける---そんな結果を、検見川の粘りが予感させた。
試合前、和田純監督は、「千葉経大附を相手に一人で投げ切るのは難しい」と続投策を決めた。千葉経大附が、2,3回戦で右腕投手を相手に戦っている。そこで左腕の中居文吾(2年)を指名した。
狙いは的中し、千葉経大附打線はタイミングを外され続けた。目が慣れ始めたところを見計らって、椎名直哉(3年)、さらに、鳥井翔太(2年)へ続投。2試合で16得点している千葉経大附を8回まで2点に抑えた。
だが、9回表、再び流れが変わった。千葉経大附の川島亮太(3年)の遊撃への打球はイレギュラーバウンドで安打。樋口悠(3年)の犠打で二死2塁。そして打席に重谷祐弥(3年)を迎えた。
和田監督は、1番打者の重谷に最も注意するよう指示していた。出塁を許すと、打線を勢いづけるからだ。椎名を伝令としてマウンドに向かわせて、「次打者での勝負でもいいから」と声をかけた。
捕手の西川貴紘(3年)は鳥井に外角ボール球を要求したが、「ミットは真ん中より」だった。重谷の打球は二塁手林翔平(3年)が2塁走者を牽制をしていたために広く開いた一、二塁間を抜け、勝負がついた。
「勝負どころで1本でるのは全国レベルのチーム」と和田監督。負けたものの、選手たちは強豪と互角に戦える自信をつけた。「来年は千葉経大附を破って甲子園に行きます」。2年生投手2人が力強く話した。

(後日談)
この記事を編集するにあたって、当時のビデオを見返しました。千葉経大附高は、検見川の粘りの攻撃に浮き足だっていましたし、8回の裏、西川君の同点タイムリー後は、かなりの動揺している様に映っています。

検見川高校野球部の歴史の中でも、最も力のあるチームだったと思っています。
たとえば、先発した中居君は、1回表落ち着いて、相手打者を攻めて、打ち取りました。この回0点に抑えたことが、チームに自信と勇気を与えてくれました。試合中盤で見せてくれた6番・佐藤君のセンター前ヒットは、相手投手の自信を持って投げた高めのストレートをバットの真芯で捕え、センターにはじき返す。同じく、橋本君も、左中間2塁打の後、華麗に3盗を決める。積極的に攻めておりました。

一つ一つのプレーが、相手チームにボディブローのようなダメージを与え、結果として、焦りと動揺を生ませたのだと思います。
8回、鳥井君がマウンドに登ると、観客席から歓声が沸きあがりました。疲労困憊の相手投手に対して、フレッシュなエースが登板できる検見川が、大番狂わせを演じるのではないかといった期待感と、そして、公立普通高に勝たせたいといった一般の方々の反感びいきに似たものだったのでしょう。

チーム全員、名前負けせず、試合に集中し、個々の役割を全うし、チャレンジしていました。
その結果、新聞記事にも書かれていますが、多くの観客を魅了し、大金星を予感させてくれました。検見川高校ここにあり。魅せてくれました。

しかし、しかし、この試合をビデオで見返してみると、もう少し'運?'それとも'何か'があれば、勝てた試合だったのではとも思えてきます。
その何かを味方につけ、いつか、その時がくる事を信じて、これからも検見川野球部を応援していきす。

33期生のチームは集中力のある本当にいいチームでした。


2009年10月 事務局記